96’夏 Moron 2
このときMoronには2泊しただけでした。(今思うと大失敗、もっといればよかった)その最後の夜の夜中、寝付けなかったら、カミさんが「裏がにぎやかだから行ってきたら?「というので起き出して行ってみたのです。宿の裏にパティオがあって屋台のバルが設けられて地元の人達が大勢いました。冷たいティントを飲んでぼんやりしているとそこへ何人かの人達と連れ立ってディエギイート(Diego de Moron)が入ってきたのです。周りの人達も普通に話していて、自分も一応挨拶をして、日本での公演を見たことを言いました。そしたら、彼は周りの人に向かって「俺は日本で1週間で100万以上稼いだぞ、パコ(Lucia)より多いぞ」と言って自慢してました。そのうち「誰かギター持ってるか?」と聞いて例のオランダ人が部屋からギターを持ってきました。そうして数人で奥の部屋の方に向かっていきました。自分は見送っていたら、知り合ったバーテンさんがこっちを向いて顎をしゃくって”行けよ”という合図をくれました。いいのかい?と目で聞いたら頷いたので付いていきました。他にも大勢の地元の人達がいたのですが、皆うらやましそうにしていました。電気もない暗い小さな部屋でDieguitoが弾き始めたSoe
a、鳥肌が立つくらいの本物のソレアだった。舞台ではなくMoronの暗い部屋でDieguitoの紡ぎだすアイレは一種異様で”真っ黒いアイレ”(と言うしかないような)が部屋一杯に渦巻いているようで、こんな感覚がしたのは後にも先にもこの時だけだった。周りの人も時折ハレオをかけ濃密な時間が過ぎていったのですが、しばらくして上から管理人(経営者)さんが降りてきて「お前等こんな時間に何やってるんだ?」と言って中にDieguitoがいるのをみたら自分も仲間に入ってしまいました。それから少し経ったら今度は奥さんが来てガミガミいわれお開きになってしまいましたが、もう3時頃になっていました。「これから車でベンタに行くからお前もくるか?とディエゴに言われたのですが、翌朝(其の日)帰ることになっていたので残念ながら断りました。後から聞いたらベンタでも断られ何もなかったそうです。偶然とはいえ、パコ、とディエギイートに会えるとも思っていなかったのが会えるとは何と幸運なMoron滞在だったのか。今でも不思議です。この後もう一人のMoron Toqueの後継者 Juan del GastorにSevillaで偶然会うことになるのです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント